ゼロスタートソーラーの料金は本当に無料?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説

ゼロスタートソーラーの料金は本当に無料?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説

ゼロスタートソーラーの料金は本当に無料?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説

「初期費用0円」は本当?ゼロスタートソーラーの料金体系の基本

「ゼロスタートソーラー」や「0円ソーラー」という言葉を聞いて、多くの方が「本当に無料で太陽光発電が設置できるの?」と疑問に思うでしょう。
結論から言うと、初期費用(太陽光パネルや工事費など)は本当に0円です。
しかし、月々の電気の利用には料金が発生します。

これは、たとえるなら「携帯電話の端末代金0円キャンペーン」に似ています。

端末(太陽光パネル)は無料で手に入りますが、毎月の通話料(電気代)は使った分だけ支払う、という仕組みです。

 

なぜ初期費用0円が実現できるのか?PPAモデルという仕組み

この「初期費用0円」を実現しているのが、PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)モデルと呼ばれる仕組みです。
これは、PPA事業者(太陽光発電の会社)が、あなたの家の屋根を借りて太陽光パネルを無償で設置し、発電した電気をあなたに販売するという契約形態です。
つまり、太陽光パネルの所有者はPPA事業者であり、あなたは事業者が作った電気を購入する、ということになります。

事業者は、あなたに電気を販売したり、余った電気を電力会社に売ったりすることで、設置費用を回収していくのです。
これにより、あなたは大きな初期投資をすることなく、太陽光発電のメリットを享受できるわけです。

 

月々の料金(電気料金)はどうなる?

初期費用はかかりませんが、毎月の支払いが発生します。

具体的にどのような料金がかかるのか、詳しく見ていきましょう。

 

自家消費分の電気料金:電力会社より安くなることが多い

PPAモデルでは、自宅の太陽光パネルで発電し、家庭で使った分の電気(自家消費分)に対して料金を支払います。
この電気料金の単価は、契約するPPA事業者によって様々ですが、大手電力会社の電気料金単価よりも安く設定されていることがほとんどです。
例えば、電力会社の単価が1kWhあたり30円だった場合、PPA事業者の単価は25円といった具合です。

そのため、日中に電気を使えば使うほど、従来の電気代よりもお得になる可能性があります。

 

夜間や悪天候時の電気代:別途、電力会社との契約が必要

太陽光発電ができない夜間や、発電量が少ない雨天・曇天時は、これまで通り電力会社から電気を購入する必要があります。
そのため、PPA事業者への支払いとは別に、大手電力会社への電気代の支払いも発生します。
ゼロスタートソーラーを導入しても、電力会社との契約が完全になくなるわけではない、という点は覚えておきましょう。

 

余剰電力の売電収入は誰のもの?

日中に発電したものの、家庭で使い切れずに余った電気(余剰電力)はどうなるのでしょうか。
PPAモデルでは、太陽光パネルの所有者はPPA事業者です。

そのため、余剰電力を売電して得られる収入は、原則としてPPA事業者のものとなります。
自分で費用を払って太陽光パネルを設置した場合は、この売電収入が大きなメリットになりますが、ゼロスタートソーラーではその恩恵は受けられない、という点は大きな違いです。

 

契約前に必ず確認!契約期間と解約金について

ゼロスタートソーラーは、長期の契約が前提となるサービスです。

契約前に知っておくべき重要なポイントを解説します。

 

契約期間は10年~20年が一般的

PPAモデルの契約期間は、10年から20年と非常に長く設定されています。
これは、PPA事業者が初期費用の回収にそれだけの期間を要するためです。
この期間中は、基本的に契約を継続する必要があります。

 

契約期間満了後はどうなる?無償であなたのものに!

長い契約期間が満了すると、多くのPPAモデルでは、設置した太陽光発電システム一式が無償であなたに譲渡されます。
譲渡後は、発電した電気を無料で使えるようになり、余った電気を売電すれば収入を得ることも可能です。
ただし、譲渡後のメンテナンス費用(パワーコンディショナの交換など)は自己負担となるため注意が必要です。

 

途中解約はできる?高額な違約金に注意

契約期間中に引っ越しなどの理由で解約する場合、高額な違約金(残りの期間の料金一括請求など)が発生する可能性が非常に高いです。
そのため、近い将来に転居や家の建て替えの予定がある方には、ゼロスタートソーラーは向いていないと言えるでしょう。

契約前に、解約条件を必ず詳細に確認することが重要です。

 

購入やリースとの料金比較

太陽光発電を導入するには、ゼロスタートソーラー(PPA)の他に、「自己所有(現金購入やソーラーローン)」や「リース契約」といった方法もあります。

それぞれの料金的なメリット・デメリットを比較してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

設置方法 初期費用 月々の支払い 売電収入 メンテナンス 所有権
ゼロスタートソーラー(PPA) 0円 自家消費分の電気代 事業者 事業者負担(契約期間中) 事業者(契約満了後譲渡)
自己所有(購入) 高額(100万~) なし(ローン返済) 自分 自己負担 自分
リース 0円 定額のリース料 自分 事業者負担(契約期間中) 事業者(契約満了後選択)

 

簡単に言うと、経済的なメリットが最も大きいのは「自己所有」ですが、初期費用がかかります。

「ゼロスタートソーラー」は初期費用を抑えたい方向け。

「リース」は、月々の支払いが定額で、売電収入も得たいという中間的なニーズに応えるものです。

 

結論:ゼロスタートソーラーがおすすめな人・おすすめできない人

ここまでの情報を踏まえて、ゼロスタートソーラーがどのような人に向いているのかをまとめます。

 

こんな人におすすめ!

     

  • 初期費用をかけずに太陽光発電を始めたい人
  •  

  • 長期(10年以上)にわたって同じ場所に住む予定の人
  •  

  • 日中の電気使用量が多い家庭(在宅ワーク、オール電化など)
  •  

  • メンテナンスの手間や費用をかけたくない人
  •  

  • 環境問題に関心があり、再生可能エネルギーを利用したい人

 

こんな人にはおすすめできないかも…

     

  • 数年以内に引っ越しや家の建て替えの可能性がある人
  •  

  • 売電収入を目的としている人
  •  

  • 太陽光パネルのメーカーや機種を自分で選びたい人
  •  

  • 資金に余裕があり、長期的に見て最も経済的メリットを得たい人(自己所有が有利)
  •  

  • 屋根の形状や材質、築年数などが設置基準に満たない場合

 

主要なゼロスタートソーラーサービスと選び方のポイント

現在、多くの企業がゼロスタートソーラー(PPAモデル)のサービスを提供しています。

サービスを選ぶ際には、以下のポイントを比較検討することが重要です。

 

比較検討すべきポイント

     

  • 電気料金単価:1kWhあたりの料金はいくらか。電力会社の料金と比較してどれだけお得か。
  •  

  • 契約期間:10年、15年、20年など、自分たちのライフプランに合っているか。
  •  

  • 譲渡条件:契約満了後に無償で譲渡されるか。有償の場合はいくらかかるか。
  •  

  • 解約条件:途中解約時の違約金はどのように計算されるか。
  •  

  • 取り扱いメーカー:設置される太陽光パネルやパワーコンディショナのメーカーはどこか。
  •  

  • 企業の信頼性:長期にわたる契約のため、企業の経営状況や実績も確認しましょう。

 

まとめ:ゼロスタートソーラーの料金を正しく理解して、最適な選択を

ゼロスタートソーラーは、「初期費用0円」という大きな魅力を持つ一方で、長期契約や売電収入が得られないといった側面もあります。
料金体系は「設置費用は無料だが、発電した電気の利用は有料」と理解することが重要です。
ご自身のライフプランや電気の使用状況、太陽光発電に何を求めるのか(電気代削減か、売電収入か)を明確にし、自己所有やリースといった他の選択肢とも比較しながら、最適なプランを選択してください。

 

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